2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAを鋳型にした金属細線の作製およびX線光学素子への応用
Project/Area Number |
07J02403
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
治田 修 Hokkaido University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA / 金属細線 / LB法 / 無電解めっき / プラズモン吸収 / 偏光フィルタ / X線光学素子 |
Research Abstract |
本研究は、優れた分子認識能と約2nm幅で細長く柔軟な構造を有するDNAを基盤として、「DNAを鋳型にした金属細線の作製およびX線光学素子への応用」を目的としている。 DNAの金属化については既に様々な報告がなされているが、現状においてはDNAを伸長固定する手法や金属化の手法などがそれぞれ対をなす問題点として挙げられている。当研究室においては、Langmuir-Blodgett法を利用したDNAの伸長固定化手法の確立およびその無電解めっきによるAg細線の作製に成功しており、上述の問題点を解決できると期待される。本研究課題においては、(1)DNA鋳型の及ぼす影響、(2)めっき処理後の金属細線における光学特性、に関して検討を行った。 (1)DNA鋳型として、T4DNA(56μm)または環状M13DNA(全長2.5μm)を使用し、金属化について検討した。T4DNAを使用した場合、数十〜60μmからなる金属細線がSEMによって観察された。M13DNAを使用した場合は、LB法の引き上げ過程に起因して完全な環状にはならず、楕円型の細線構造が形成していることが分かった。これら金属構造体形状の変化はそれぞれのプラズモン吸収特性に大きな影響を与えるものと考えられ、光学特性との関連性が期待される。 (2)直鎖DNAを鋳型にした金属細線固定化基板における暗視野顕微鏡観察を行ったところ、偏光方向を90°変えることによって、金属細線像がOn-Offすることが観察された。このことより、基板上に作製した金属細線構造の異方性とプラズモン吸収異方性の関連性があることが分かった。細線構造を有する基板を反射法によって吸収スペクトル測定(可視域)した結果、偏光方向に由来したプラズモン吸収の異方性を有している事が分かった。
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Research Products
(6 results)