2008 Fiscal Year Annual Research Report
惑星系形成理論における電磁流体力学的素過程の理論的研究
Project/Area Number |
07J02409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武藤 恭之 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星形成論 / 円盤・惑星相互作用 / 原始惑星移動 / 原始惑星系円盤 / 天体力学 / 流体力学 |
Research Abstract |
本年度は、原始惑星系円盤ガスと惑星の間の重力相互作用の時間発展を、主に線形解析を用いて明らかにすることを主な目的として研究を進めてきた。交付申請段階において、すでにフーリエ変換の方法を用いて線形時間発展を追うコードが完成していたが、さらに円盤・惑星相互作用を支配する方程式を解析的にも吟味することによって、線形の時間発展の結果、自然に定常解に落ち着くことがわかった。現在までに、定常解をそのまま求めようという研究は多くあったが、その場合、円盤にかかる様々な物理過程を取り入れようとすると技術的困難が生じる。本研究で開発した定式化では、必要な物理過程を簡単に取り入れられることができ、応用範囲が広い。 このコードを用い、本年度は以下の二つの研究を行った。第一には、ガス円盤の中に惑星が存在する場合の、周囲のダスト粒子の軌道を求めた。上記のコードを用いて惑星周囲の円盤ガス構造を求め、さらにその中で三体問題を計算する。惑星の周りのダスト軌道の長時間進化を記述する一般的な解析的公式を導出し、さらに数値計算によって適用範囲を確かめた。この研究は、観測的には、将来の円盤直接撮像観測において、惑星を検出するための指針になる可能性があり、また理論的には、ガス惑星コアの成長過程の研究などに応用できる可能性がある。第二には、円盤に粘性がある場合の円盤・惑星相互作用の研究である。これは、上記の数値コードの応用の第一歩として位置づけられ、幅広い範囲の粘性パラメタにおける円盤・惑星相互作用を計算した。第一の研究の成果論文は、雑誌The Astrophysical Journalに掲載が決定しており、第二の研究の成果論文は同誌に投稿中である。
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Research Products
(13 results)