2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02433
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今田 明 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 降着円盤 / 矮新星 / スーパーハンプ / 連星進化 / 天文教育 / 可視、近赤外観測 |
Research Abstract |
研究代表者は、矮新星降着円盤における変動現象の物埋を理解すると共に、中長期計画のひとつである矮新星進化機構の理解のため、主に京都大学40cm望遠鏡と国立天文台岡山観測所188cmを用いた可視近赤外測光観測を行った。前年度の主要な結果の一つとして、40cm望遠鏡を用いて観測した矮新星EG Aqrの増光時の特殊な初期変動の発見が挙げられる。通常、矮新星増光時、スーパーハンプと呼ばれる周期変動が観測されるが、この周期は増光直後から次第に減少していく。ところが、今回の観測では、このスーパーハンプ周期がわずか数時間の間に2%以上も減少することを発見した。これは、増光時の降着円盤において短時間で劇的な変化が起きたことを意味するが、現在のところ、この現象を説明する物理は分かっていない。今回の結果により、代表者らは矮新星増光初期の降着円盤の物理に新たな観測的制限を課すことができた。また代表者らは岡山188cm望遠鏡を用いて矮新星の近赤外線測光観測を行い、矮新星SDSS J1702が通常の矮新星の進化とは異なる、特殊な進化を経ている可能性を指摘した。今回の観測は、研究実施計画で予想していた「進化した特殊な伴星」を持つ天体の存在を観測的に示唆したこととなり、今後継続して観測することで、矮新星進化の多様性を観測的に制限することが可能となる。年度後半からは、鹿児島大学理学部に出張し、現地の1m望遠鏡を用いて矮新星の観測を継続すると共に、6名の学生に卒業研究テーマを課した。一方で代表者は、天文、理科教育を重視し、前年度も引き続き京都府立洛東高校とのSPPに携わり、研究成果を天文学会ジュニアセッションならびにハンズオンユニバース世界大会において英語口頭講演を果たした。
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Research Products
(13 results)