2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病γセクレターゼの基質認識における膜貫通領域間相互作用の役割
Project/Area Number |
07J02445
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 直登 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ / プレセニリン / 膜貫通領域間相互作用 / 膜蛋白質切断 / 光親和性標識 / βペプチド |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の発症機構としてβアミロイドペプチド(Aβ)の産生・蓄積がAD発症を引き起こすという「アミロイド仮説」が受け入れられており、Aβ産生酵素のひとつであるγセクレターゼはAD治療薬の重要な創薬ターゲットと目されている。本研究はγセクレクーゼによる基質切断機構の分子レベルでの理解を目的とし、特にγセクレターゼ基質とγセクレターゼ複合体との結合様式、基質特異性に関して、膜貫通領域(TMD)間相互作用に注目し、酵素(γセクレターゼ構成因子)、阻害剤、基質の異なる3つの観点から解明を試みる。最終的には、その結果に基づいた阻害剤探索を行い、原因療法的なAD治療薬の創出を目指す。 本年度の研究成果としては、PS1 TMDをγセクレターゼとは無関係の蛋白質に置換したTMD-swap変異体と、γセクレクーゼの触媒部位、基質結合部位を標的とする阻害剤プローブ(L-852,646、pep.11-Bt)を用いたケミカルバイオロジー的検討から、PS1 TMD2および6が基質結合部位形成に関与することを明らかにした。また、βアミノ酸からなるβペプチドが安定なヘリックス構造を形成することに注目し、構成βアミノ酸としてtrans-ACPCからなるβペプチドを合成した。これらのβペプチドは新規γセクレターゼ阻害剤として機能し、さらに光親和性標識実験を用いた検討から、これらのβペプチドが基質結合部位を標的とすることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)