2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法による半導体ナノワイヤヘテロ構造作製とその応用に関する研究
Project/Area Number |
07J02452
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
冨岡 克広 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | MBE、エピタキシャル / 量子細線 / 結晶成長 / 構造・機能材料 / ナノ材料 / 量子エレクトロニクス / 結晶工学 |
Research Abstract |
MOVPE選択成長法によって作製したGaAsナノワイヤに対して、スパッタリング法でSiO_2膜を堆積させた。膜厚は100nmとした。その後、反応性イオンエッチング(RIE)法によりナノワイヤの上部に堆積されたSiO_2をエッチングし、ウェットエッチングにより、GaAsナノワイヤの上部を選択的にエッチングし、SiO_2/GaAsナノワイヤ構造中にSiO_2チューブを作製した。この構造に対し、再度MOVPE成長を行い、チューブ形状のくぼみ部に選択的にGaAs, InAsを成長し、横方向成長のない縦型ヘテロ構造の作製を試みた。MOVPE成長における成長原料の表面拡散長を考慮し、この構造のナノワイヤの高さは、1μm以下で行った。今回試みた工程は、選択エッチングにより、ナノワイヤをエッチングしくぼみ構造を作製するため、埋め込み成長によるヘテロ構造作製の選択成長が可能となる。材料系は、半導体ナノワイヤ中に縦方向に積層された量子井戸を作製するために、InAsとその混晶系に重点を置き、今回はGaAs/InAs/GaAs量子井戸構造の作製を試みた。具体的には、InAsについては、成長温度540℃、原料分圧比256、成長膜厚が1、3、5原子層(MLs)となるように成長を行い、 GaAsの成長温度540℃、原料分圧比250とし、成長膜厚は20原子層となるように成長を行った。 この工程により作製したGaAs/InAs/GaAsナノワイヤ量子井戸構造について、はじめに、走査型電子顕微鏡(SEM)により、形状の評価を行った後、フォトルミネッセンス法による光学特性の評価を行った。SEM観察では、設計どおりのナノワイヤ形状を有していることが分かり、光学特性では、1,3,5MLsの厚みを有したGaAs/InAs/GaAs量子井戸特有の半値幅の非常に狭い発光が、1.3-1.4eVで確認された。次に、この構造の結晶構造と、成長膜厚を評価するため、この量子井戸構造ナノワイヤについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。作製されたナノワイヤの結晶構造は、閃亜鉛鉱型結晶構造を示し、上記プロセスで作製した結晶構造は、単結晶構造になる傾向が分かった。
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