2008 Fiscal Year Annual Research Report
McKusick-Kaufman Syndromeタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
07J02456
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平山 尚志郎 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | McKusick-Kaufman病 / Bardet-Biedl病 / MKKSP / 繊毛 / CHIP |
Research Abstract |
McKusick-Kaufman病は、多指症、心肥大等を主症状とする発育不全病である。McKusick-Kaufman病タンパク質(MKKSP)については、遺伝学的に解析されたのみで、野生型タンパク質の機能や、疾患の原因となる変異体の性質は、何ら分かっていなかった。そこで、本研究では、野生型MKKSP、およびMKKSPと相互作用するタンパク質を、免疫沈降後、マススペクトル解析により同定することで、野生型MKKSPの機能、および疾患の発症機序を明らかにする事を目的とした。 免疫沈降後のマススペクトル解析により、野生型MKKSPは、Hela細胞内において、BBSタンパク質群と相互作用する事が強く示唆された。BBSタンパク質は、MKKSPと共にBardet-Biedl病の発症に関与する事が分かっており、繊毛機能に関与するタンパク質である。現在、マススペクトル解析で同定されたBBSタンパク質とMKRSPの結合様式や、細胞内での局在について、Hela細胞を用いて解析中であり、この研究が進めば、今後MKKSPの機能を明らかにする事が出来る。 さらに、疾患原因変異体MKKSPと結合するタンパク質の解析から、変異体MKKSPが構造異常を引き起こしやすいタンパク質であることを明らかにした。構造異常を引き起こしたタンパク質は、細胞内でCHIPというユビキチンリガーゼによって分解される事がわかっている。そして、本研究によってMKKSPの疾患原因変異体タンパク質についても、CHIPによる分解を受けていることを明らかにした。すなわち、本研究により、疾患原因変異体MKKSPは、その構造異常により、CHIPによる素早い分解を受け、loss-of-functionにより、疾患の発症に関与していることが強く示唆された。これらの結果は、アメリカ細胞生物学会の会報誌である「Molecular Biology of the Cell」において発表された。
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Research Products
(2 results)