2008 Fiscal Year Annual Research Report
半陸棲貝形虫(節足動物門:甲殻網)の高ストレス環境への適応
Project/Area Number |
07J02463
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蛭田 眞平 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 貝形虫 / 分子系統解析 / Podocopida / Cypridoidea / Terrestricythere |
Research Abstract |
北海道内の札幌、松前、大沼、厚岸、苫小牧、サロベツ、風蓮湖、根室、標津、釧路湿原、サロマ湖周辺にて採集を行った。淡水に進出したグループ全体を科レベル以下まで網羅することができるように採集を行い、分子系統解析に用いるサンプルを数多く得た。また道外では琵琶湖と下田にて採集を行い、北海道には見られないグループのサンプルを得た。琵琶湖での採集時には現地の研究者から情報が得られ、最終年度に網羅しきれなかったサンプルを採集するための連絡を取ることができた。 これらのサンプルから18Sと28S rDNAの配列を決定した。この他にGenBankよりすでに報告される種のデータを加え、最尤法、最節約法、ベイズ法にて系統樹を作成し、Podocopidaの系統関係を再構築した。淡水に進出した貝形虫で現在最も多様な上科Cypridoidea内部の関係について新たな情報をもたらした。また貝形虫とその近縁な動物群に関する知見も得られた。この結果は2009年ブラジルで行われる第16回国際貝形虫学会で発表する。 広塩耐性を持つ貝形虫は様々なグループに見られ、それぞれの浸透圧調整器官の比較を比較することを計画した。観察手法が確立したので生きた状態で入手可能な個体からTEMでの観察を行った。 計画していたTerrestricythere proboscidisの飼育を行い、現在まで約6ヶ月にわたって研究室での飼育に成功している。これはTEMでの観察や分子系統解析のために使用している。 日本動物分類学会にて北海道釧路湿原内部の貝形虫相に関するポスター発表をおこなった。また日本オストラコーダ研究会に参加し、その場で他大学にいる貝形虫研究者と様々な意見交換を行った。
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Research Products
(1 results)