2007 Fiscal Year Annual Research Report
半陸棲貝形虫(節足動物門:甲殻綱)の高ストレス環境への適応
Project/Area Number |
07J02463
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蛭田 眞平 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 貝形虫 / Terrestricythere / 間隙性 / 北海道産 / 系統解析 / 浸透圧調整 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
北海道内の松前、大沼、厚岸、苫小牧、サロベツ、利尻・礼文島、厚岸、釧路湿原、サロマ湖周辺にて採集を行った。系統解析に用いるサンプルを数多く得た。また道外では琵琶湖と静岡にて採集を行い、北海道には見られないグループのサンプルを得た。 また新たなるTerrestricythere種の捜索のため、上記の採集地点にて海岸河口部の急激な塩濃度変化を伴う環境を選んだ。本年度は日本海岸沿岸からサロマ湖に至るまでのオホーツク沿岸を対象にした。新たなるTerrestricythere種は発見できなかったものの未記載種を含む数多くの汽水性および間隙性貝形虫を入手できた。これは広塩耐性を持つグループである。今後の系統解析において浸透圧調整機能の獲得に関する多くの情報をもたらすものと期待される。 広塩耐性を持つ貝形虫は様々なグループに見られ、それぞれの浸透圧調整器官の比較を比較することを計画した。しかし貝形虫は石灰化した殻を持つため透過型電子顕微鏡(TEM)による観察には特殊な操作が必要となる。そのため静岡大学にて貝形虫のTEMによる観察方法を教わった。その後研究室にて薬品等をそろえ、春以降に入手できる生きたサンプルを用いる観察に備えた。 2005年開催された15th International Symposium on OstracodaのProceedingに投稿した論文が2007年5月にHydrobiologiaから出版された。 日本動物分類学会とInternational Symposium on The Origin and Evolution of Natural Diversityにてポスター発表をおこなった。また日本オストラコーダ研究会にて「北海道産淡水貝形虫について」というタイトルで口頭発表をおこなった。その場で他大学にいる貝形虫研究者と様々な意見交換を行った。
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Research Products
(4 results)