2007 Fiscal Year Annual Research Report
可逆なイミン結合形成反応に基づくインターロック化合物の構築とその動的構造制御
Project/Area Number |
07J02474
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梅原 健志 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ロタキサン / イミン結合 / 動的共有結合 / 水素結合 / 分子シャトル / インターロック化合物 |
Research Abstract |
軸状分子と環状分子をイミン結合を用いて集合化させたイミン架橋型ロタキサンでは、イミン結合の形成/解離・動的平衡条件下において高温時は結合形成側(イミン架橋型ロタキサン)へ、低温時には解離側(「2」ロタキサン)へ平衡が偏るような運動性の逆温度依存性を持ち、系全体のエンタルピー、エントロピー制御がシャトリングなどの運動性制御に重要な鍵となる。しかしながらこの系では-40度においても「2」ロタキサン種は22%程度と平衡を完全に偏らせることは出来ていなかった。 そこで本年度ではこの運動性の逆温度依存性を利用したエントロピー駆動型分子シャトルの構築を計画した。イミン架橋型ロタキサンの軸上にマクロサイクルと非共有結合性相互作用的な親和性を有する付加的なステーションを配した新規ロタキサン分子においては高温時にはイミン結合側のステーションへ、低温時には非共有結合相互作用ステーションヘマクロサイクルが移動すると予想され、温度制御型ロタキサンスイッチとして機能すると考えた。実際、非共有結合性相互作用ステーションとしてマクロサイクルと水素結合を形成するトリエチレンダリコール(TEG)部位を軸分子上に導入した分子シャトルを構築したところ、マクロサイクルはイミン結合形成時、軸分子中央に固定化されているが、酸性加水分解条件下に付したところ室温においても加水分解が完全に進行し、マクロサイクルはTEG部位へと移動した。さらに予想したとおり、高温条件下へとすることでマクロサイクルはイミン結合ステーションへと完全に偏り、酸性加水分解条件下では温度変化だけでマクロサイクルの位置の完全な制御が可能な分子シャトルの構築に成功した。
|
Research Products
(3 results)