2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガドリニウムパイロシリケイト系高性能シンチレータの開発
Project/Area Number |
07J02492
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川村 宗範 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガドリニウムパイロシリケイト / 放射線計測 / シンチレータ / 単結晶成長 / 核医学診断装置 |
Research Abstract |
シンチレータとしてのCe濃度最適化を狙い、CeドープGd_2Si_2O_7(Ce:GPS)のCe濃度を2.5-30mol%と変化させ、浮遊帯域溶融法(FZ法)によって単結晶を育成しそのシンチレーション特性を評価した。その結果、Ce濃度による結晶構造の変化及びシンチレーション特性の変化が観測された。結晶構造はCe2.5-10mol%で斜方晶系、10-30mol%で三斜晶系となり、これは大量のCeドープによってGd_2Si_2O_7の結晶構造が歪んだことが原因と考えられる。各Ce濃度におけるシンチレーション特性を評価した結果、Ce2.5mol%のGPS単結晶が、現在まで医療用途で広く利用されているBGO単結晶の約6倍もの発光強度、83nsecの短い発光減衰時定数、エネルギー分解能5.1%という優れたシンチレータであることが明らかとなった。この他、Ce15mol%のGPS単結晶がCe2.5mol%より若干性能が劣るものの、結晶成長が比較的容易であったことから、Ce2.5及び15mol%の二つのCe濃度で大型単結晶成長を目指すこととした。 大型単結晶成長に必要なGd_2O_3-SiO_2系相図の検証の結果、大型単結晶成長に有利な引上げ法(CZ法)を用いた場合、仕込み原料の約70%をGPS単体として成長可能であることが明らかとなった。現在はCZ法による単結晶成長を行なっており、FZ法で育成したものと同程度の大きさ(2mm角程度)の結晶成長に成功している。Ce:GPSの大型単結晶成長が実現すれば、単光子放射線コンピュータ断層撮影装置に応用可能で、診断精度の向上や診断時間短縮等による患者への負担軽減が期待できる。
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Research Products
(5 results)