2007 Fiscal Year Annual Research Report
Necl-5による増殖因子受容体とインテグリンの相互作用の制御機構
Project/Area Number |
07J02510
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
天野 恭志 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞運動 / Necl-5 / インテグリン / 増殖因子受容体 / Leading edge / 低分子量Gタンパク質 / Focal complex / アクチン再構成 |
Research Abstract |
細胞増殖因子受容体を介した増殖のシグナル伝達と、インテグリンを介した運動のシグナル伝達は、密接にクロストークすることで細胞の運動や増殖を制御していると考えられているが、その分子機構は明らかではない。私の所属する研究室では、免疫グロブリン様分子であるNecl-5がインテグリンα_vβ_3やPDGF受容体と機能的に相互作用することで、細胞の運動や増殖を促進していることを明らかにしている。 本年度の研究において、生化学的な解析から、Necl-5がインテグリンα_vβ_3と物理的に相互作用することを明らかにした。さらに、運動している細胞のLeading edgeにおいて、Necl-5がPDGF刺激によるインテグリンα_vβ_3のclusteringを制御し、未熟な接着斑であるFocal complexの形成に重要な働きをしていることを明らかにした。この研究成果はJ. Biol. Chem.誌に掲載された。 次に、私はLeading edgeにおいてPDGF受容体もNecl-5やインテグリンα_vβ_3と共局在していることを明らかにした。また、生化学的な解析からNecl-5はPDGF受容体と共に物理的に相互作用することを明らかにした。一方、インテグリンα_vβ_3とPDGF受容体も、お互いに物理的な相互作用をすることが分かっており、Necl-5を含めたこれら三者はそれぞれがお互いに結合することを明らかにした。さらに、解析を行った結果、Necl-5はインテグリンα_vβ_3やPDGF受容体との相互作用を効率よく制御することで、細胞運動を促進していることを明らかにした。この研究成果はGenes Cell誌に採択された。
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Research Products
(4 results)