2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ハニカム構造を利用した、透明性・高耐久性を持つ超撥水表面の作製
Project/Area Number |
07J02534
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
児島 美季 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己組織化 / 多孔質構造 / ナノ構造 / マイクロ構造 / ボトムアップ |
Research Abstract |
本研究では、光架橋性樹脂を用いてナノサイズの孔径を持つハニカム構造を作製することにより、高耐久性・透明性・超撥水性を持つフィルムを作製することを目的としている。 これまで、両親媒性高分子と光架橋性樹脂の溶液を高湿度下の基板にキャストした後、紫外光を露光し光架橋することによって、結露した水滴を鋳型とした空孔を持つハニカム構造化フィルムが形成することを見出している。光架橋したハニカム構造化フィルムを溶媒に浸漬し、超音波処理したところ、フィルム表面からハニカム構造が貫通膜として剥離し、マイクロドット構造が形成することを見いだした。これは空孔の周囲に両親媒性高分子が濃縮しており、その両親媒性高分子が溶媒によって溶出するためと考えた。 そこで、蛍光色素をもつモノマーと親水性モノマー、疎水性モノマーを共重合することにより、蛍光色素をもつ両親媒性高分子を合成した。蛍光色素を持つ両親媒性高分子と線状高分子の溶液を高湿度下で基板ヘキャストしハニカム構造化フィルムが作製できた。作製したハニカム構造化フィルムを共焦点レーザ顕微鏡を用いて観察したところ、ハニカム構造の空孔の周囲に蛍光が観察され、両親媒性高分子が空孔の周囲に多く分布していることが明らかとなった。これは、ハニカム構造が形成する際に、結露した水滴の周囲に両親媒性高分子が濃縮し、水滴を安定化しているためと考えられる。このことにより、光架橋樹脂を用いて作製したハニカム構造化フィルムの場合でも、空孔の周囲に両親媒性高分子が濃縮していることが示唆された。
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Research Products
(9 results)