2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ハニカム構造を利用した、透明性・高耐久性を持つ超撥水表面の作製
Project/Area Number |
07J02534
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
児島 美季 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己組織化 / 多孔質構造 / ナノ構造 / マイクロ構造 / ボトムアップ |
Research Abstract |
光架橋性樹脂と両親媒性高分子の溶液を高湿度下でキャストし、UV光を露光して光架橋することによってハニカム構造が得られる。ハニカム構造の孔径のナノサイズ化のためには、鋳型となる結露した水滴をナノサイズに保った状態で光架橋し、構造を固定化する必要がある。 これまでに、蛍光色素をもつモノマーと親水性モノマー、疎水性モノマーを共重合することにより、蛍光色素をもつ両親媒性高分子を合成した。合成した両親媒性高分子と線状高分子の溶液を高湿度下で基板ヘキャストし作製したハニカム構造を共焦点レーザ顕微鏡を用いて観察したところ、ハニカム構造の空孔の周囲に蛍光が観察された。このことから、両親媒性高分子が空孔の周囲に多く分布していることが明らかとなった。これは、ハニカム構造が形成する際に、結露した水滴の周囲に両親媒性高分子が濃縮し、水滴を安定化しているためと考えられる(Miki Kojima,et al.,Macromolecular Symposia 2008,267(1),109-112)。 両親媒性高分子が水滴の周囲に濃縮していることから、両親媒性高分子の溶液物性は水滴の形状に影響を与えていることが予想される。そこで、両親媒性高分子の溶液物性のうち、水-両親媒性高分子溶液の界面張力について着目した。 疎水モノマー・親水モノマーの共重合比が異なる両親媒性高分子を重合した。重合した両親媒性高分子と汎用性高分子(ポリスチレン)を用いて作製した。その結果、親水部の比率が高い両親媒性高分子は、水-両親媒性高分子クロロホルム溶液間の界面張力が低くなった。また、親水部の比率が高い両親媒性高分子を用いて得られるハニカム構造は、孔径の均一性が高い傾向があり、ポリマー部分(ポリマーフレーム)が細くなる傾向があった。空孔率が高いほど超撥水性が高くなることが予想されることから、ハニカム構造を超撥水性材料として応用する上で重要な知見が得られた。
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Research Products
(3 results)