2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素を架橋コアとする新規遷移金属錯体の創製とその光化学機能性に関する研究
Project/Area Number |
07J02535
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
作田 絵里 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発光性遷移金属錯体 / アリールホウ素 / 光化学物性 |
Research Abstract |
代表者はこれまで2つの目的を掲げ研究を行ってきた。1つはトリアリールホウ素化合物の励起三重項状態における電子スピン挙動の検討、もう1つは新規アリールホウ素置換基を有する遷移金属錯体の合成とその光化学特性の解明である。 1に関しては、基準物質であるTri(9-anthryl)borane(TAB)を用い、研究を進めることとした。その結果、ESRによる電子スピン挙動の観測には成功したものの、低温におけるりん光スペクトル測定において、TABの蛍光が強く、りん光測定にはいくつかの困難が生じた。そこで共同研究先と多くの議論を重ね、対象物質を増やすこととした。その結果、いくつかの化合物に関してりん光測定が可能である事がわかった。現在、これらの化合物を中心にESR、低温りん光測定の両面から研究を進めている。また、2に関してはこれまでに報告してきた新規錯体の溶液状態における測定は済ませたが、更に固体状態で興味深い光化学挙動を示すことを見出した。そこで、様々な条件下(低温・溶媒蒸気)での固体発光に関する検討を行うと同時に、様々な溶媒による単結晶作成を試みた。単結晶作成に関しては困難であったが、低温・溶媒蒸気下での固体発光測定の結果から、この新規錯体に関する様々な情報を得ることに成功した。この結果は今後の分子設計における指針となると考えられる。また、これまでの研究を更に展開すべく、アリールホウ素置換基を有する新規配位子の合成に着手したところである。
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Research Products
(5 results)