2007 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマプロセスによるY型分岐構造カーボンナノチューブの選択的成長
Project/Area Number |
07J02544
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沖田 篤士 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分岐カーボンナノチューブ / 高周波プラズマ / アルコール / メタン / フェロセン / 質量分析 / 発光分光分析 / 還元剤 / 酸化剤 |
Research Abstract |
本研究では、メタン・水素(CH_4/H_2)混合ガスプラズマによるカーボンナノチューブ(CNT)の生成ならびに新たな原料ガス(アルコール)プラズマによるCNTの生成を実現した。 メタン・水素混合ガスプラズマの場合、dip-coat法とよばれる手法にて化学的に基板に堆積した触媒(Fe/Mo)を用いることで、基板の平面方向に対してCNTが生成し、このときCNTの収率は抑制される結果となった。さらに基板の一部にてY型を含めた分岐構造を有するCNTの生成を実現した。但し、得られた分岐構造CNTの直径は太く(〜20nm程度)、収率の制御には至らない結果となった。また、メタン・水素混合ガスプラズマによるCNT生成の種因子を決定すべく、実験と計算機解析によってプラズマ気相中に存在する粒子種を詳細に調査・検討した。計算機結果より安定な中性種が分解・再結合反応により多量に生成され、それらの種がCNT生成に寄与していることを示唆した。 アルコールプラズマによるCNT生成においては、アルミナと鉄の多層構造の触媒(Al_2O_3/Fe/Al_2O_3)から基板垂直方向へ配向した細い(約3.5nm)CNTが得られ、特に0.01wt%のフェロセン(C_10H_10Fe)をアルコールに添加することで飛躍的にCNT収率が改善した。このとき、気相中に存在するプラズマ粒子種の影響を明らかにしてY型分岐CNTの生成を制御すべく、発光分光分析法ならびに質量分析法にて実験的に気相中に含まれる種を同定した。本結果より気相中に還元剤(特にH_2,CO)、酸化剤(特にCO_2,H_2O,OH等)の両者が存在していることが明らかになり、両者の混合比が変化することで収率および構造が大きく変化することが示された。 以上より、本結果はY型分岐構造CNTの生成制御ならびにプラズマ中の気相反応と表面反応過程との相関の解明に繋がる研究成果が得られた。
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Research Products
(8 results)