2007 Fiscal Year Annual Research Report
知的情報システム向け複雑適応ネットワークの理論構築
Project/Area Number |
07J02556
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河内 佑美 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 複雑系 / ネットワーク / World Wide Web / ダイナミクス |
Research Abstract |
要素間の相互作用によって自ら構造変化を起こし機能を創発する"複雑適応ネットワーク"において,秩序形成や自己組織化の要因となる構成要素や関係性を特徴づける定量的・定性的な内在情報をとらえることで,本研究は,ネットワークの適応・創発に関する秩序形成メカニズムを解明する.特に,その状態が可観測であり事後検証可能なWWWを対象とし,ソフトウェア工学的側面から次世代の知的情報システム構築を目指す. そこでまず,実ネットワークの調査・解析を行うためにWWWから情報取得を行うシステムを構築し,Eコマースシステムや情報発信コミュニケーションシステムから取得したデータを,ユーザの評価機能や相互リンク機能,閲覧履歴等から形成される大規模ネットワークとして調査を行った. 特に,大規模な実データとして日本国内のユーザ約12万人のウェブブラウザから収集された1か月間約3憶件のURLアクセスログを用いた.全ユーザのクリックストリームをネットワークとして重ね合わせるとWeb構造と同様に,その構造はスケールフリー特性を持つ複雑ネットワークであり,どの一時点においてもスケールフリーという構造特性は変わらないことがわかった.さらに,時間発展と共にクリックストリームは刻々と変化しているので,その移り変わりを明らかにするために単位時間におけるネットワーク構造の遷移をネットワーク間の類似度を用いて解析し,二次元上に可視化することで,ビヘイビアのダイナミクスを明らかにした. このように,大規模実データを扱うための解析手法の提案と,解析結果から得られたユーザビヘイビアのダイナミクスについて複雑系工学,複雑ネットワークの視点から議論を行い,論文として結実している.
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Research Products
(2 results)