2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02570
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 俊介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 宇宙物理学 |
Research Abstract |
本研究は、交付申請書の研究の目的「(3)現実的な模型での考察:超重力理論と多余剰次元模型」を達成するために行われた。より高い次元で標準Einstein重力が再現されるかを調べることは、有効理論の構築にとって大変重要である。 まず、5次元から6次元の重力を考える際に出てくる困難について述べる。一般に、余剰次元が2以上の重力では、解く時に発散が生じ方程式に意味がなくなってしまうため、この発散を解消する手続き(正則化)が必要である。ここでは特に「帽子的正則化」に着目する。本質的には、余剰次元1の場合、発散が比較的穏やかである性質をこの場合に拡張している。すなわち、6次元時空に5次元のブレーンを導入する。重力の非線形効果も取り込めるような近似でモデルを解く。 次に、モデルとその結果を詳述する。考える時空は6次元時空である。我々の住んでいるブレーンには張力があり、またこの空間を安定に存在させるために、フラックスと呼ばれる「電磁場」を導入し、空間を支える。こうして出来た空間は、ラグビーボールの面ような形をしていて、その頂点に我々の住む世界「4次元ブレーン」があるというわけである。しかし、このブレーンには通常の物質を置くことが出来ない。物質を置くとラグビーボールの頂点(ブレーンの位置)で発散が起こってしまい、この時空の解に意味がなくなってしまうからである。そこで、5次元的なブレーンを導入し、発散の起こる領域は切り取って捨ててしまう。変わりに別の新しい時空を貼り付ける。結果、ラグビーボール面の両端に新しい帽子のような面が覆いかぶさった形になる。このモデルの下、長波長近似で余剰次元方向の重力を解き、実際に物質を置いたときにそういった解を具体的に求め、有効理論が標準重力を再現することを確認した。
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Research Products
(1 results)