2009 Fiscal Year Annual Research Report
心的辞書構造に基づく英語語彙学習プロセスのモデル化
Project/Area Number |
07J02631
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 知佳子 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 英語教育 / 語彙習得 / メンタルレキシコン / 改定階層モデル / 符号化特殊性原理 |
Research Abstract |
平成21年度には、平成19年度に実施した心的辞書内の英語語彙ネットワーク強度と、ネットワークの構築段階についての結果と、平成20年度に実施した「英語語彙学習時(符号化時)」と、学習された語彙の「想起時(再生時)」におけるネットワーク強度の影響についての検証の結果を発展させ、「語彙符号化時における文脈(符号化文脈)」によって保持される語彙表象の抽象度レベル(概念階層における上位概念・基本レベル・下位概念)がどのように変化するかを検証した。その結果、2単語ペアで提示した場合には目標単語の認知に対し、単語の頻度効果が見られたのに対し、1文脈内で提示された目標語が上位語であった条件では目標語がより具体的な事物を指す単語と混同されて認知されることが示された。これらの結果に加え、平成20年度に実施した「改訂階層モデルの発達仮説における単語頻度と具体性の影響」の結果から、(a)単語の導入時に文脈を提示するか否かの影響は抽象語に対して大きいため、抽象語の学習には日本語と提示するのが望ましいこと、(b)具体語の場合には文脈との意味強度によって再認や再生率が高くなることから、意味を強化する文脈内で提示することが望ましいとする教育的示唆をまとめた。これらの結果の一部は、アメリカ応用言語学学会(American Association of Applied Linguistics)において「Encoding Context and Convergence of L2 Word Memory」として発表している。
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Research Products
(5 results)