2008 Fiscal Year Annual Research Report
分割外ダイアフラム形式の柱梁接合部と間柱型ダンパーを組み合わせた制震構造の開発
Project/Area Number |
07J02659
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 真太朗 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 外ダイアフラム / 柱梁接合部 / 間柱型ダンパー / 耐震補強 / 角形鋼管柱 / 鋼構造 / 高力ボルト接合 / アルミ溶射 |
Research Abstract |
低コストで信頼性の高い建築鋼構造システムを供給し,大地震に対して建物の継続使用性を確保するために,分割外ダイアフラムと間柱型ダンパーを組み合わせた制震構造を開発し,その設計法を構築することを目的とする.平成20年度は,分割外ダイアフラムを用いた柱梁部分架構の弾塑性挙動を実験的に検討し接合部設計法を構築した.また,間柱型ダンパーの単体実験および耐震補強後の骨組載荷実験で得られた挙動を追跡できる力学モデルについて再検討した.高力ボルト接合部の高すべり係数化に関する研究も継続して実施した.平成20年度の研究成果は以下のようにまとめられる. ・外ダイアフラムを用いた角形鋼管柱梁接合部の設計法:(1)外ダイアフラムを用いた角形鋼管柱梁接合部の設計法を構築した.(2)分割外ダイアフラムを用いた部分架構実験より,提案する接合部設計法および耐力評価法が妥当であることを確認した.(3)提案する設計条件式を満足するように接合部を設計すれば,接合部局部変形に起因する梁の剛性低下は小さく,梁の剛性評価において梁端を剛接と仮定できる. ・間柱型ダンパーの力学モデル:(4)前年度に間柱型ダンパーの力学特性を剛性マトリクスにより定式化したものの,非常に煩雑な数式となり実用的ではない。そこで間柱型ダンパこをより単純かつ精度が確保できるモデル化を提案し,その有効性を間柱型ダンパー単体および鋼構造骨組に組み込んだ間柱型ダンパーの静的増分解析により示した.ただし,ダンパーのより詳細なエネルギー吸収性能評価には,シヤパネルに精密な履歴モデルを導入することが必要である. ・高すべり係数化に関する研究:(5)前年度実施めすべり試験より,安定して高いすべり係数(0.7以上)を確保するための溶射条件が概ね明らかとなっている.本年度はさらに補充すべきパラメータを検討し,追加試験を実施した.具体的には,施工現場で起こりうる事象やすべり係数の劣化要因である.追加パラメータに関する実験結果もふまえて総合的に判断すると,アーク溶射により300μm以上の溶射皮膜厚を確保すれば,0.7以上のすべり係数が発揮できることを確認した.
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Research Products
(7 results)