2007 Fiscal Year Annual Research Report
分割外ダイアフラム形式の柱梁接合部と間柱型ダンパーを組み合わせた制震構造の開発
Project/Area Number |
07J02659
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 真太朗 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 外ダイアフラム / 柱梁接合部 / 間柱型ダンパー / 耐震補強 / 角形鋼管柱 / 鋼構造 / 高カボルト接合 |
Research Abstract |
低コストで信頼性の高い建築構造システムの供給し,大地震に対して建物の継続使用性を確保するために,分割外ダイアフラムと間柱型ダンパーを組み合わせた制震構造を開発し,その設計法を構築することを目的として,主に分割外ダイアフラム形式柱梁接合部の弾塑性挙動ならびに,既存鋼構造建物に耐震補強として間柱型ダンパーを組み込んだ骨組の全体挙動について実験的・解析的に検討した.平成19年度の研究成果は以下のようにまとめられる. 1.分割外ダイアフラム形式角形鋼管柱梁接合部の弾塑性挙動:(1)分割外ダイアフラム接合部の引張実験より,従来の外ダイアフラム同等の力学性能を有することを確認するとともに,提案した設計式の妥当性を確認した.(2)分割外ダイアフラムを有する柱梁部分架構の繰返し載荷実験を行い,柱梁接合部に曲げモーメントとせん断力が作用する揚合にも,提案した設計式が適用できることを示した. 2.既存鋼構造建物に耐震補強として間柱型ダンパーを組み込んだ骨組の全体挙動:(3)間柱型ダンパーによる既存鋼構造建物への耐震補強法を提案した.さらに,ダンパーの組立から既存鋼構造建物への取付にいたるまでの一連の作業を滞りなく進められることを,施工実験を通じて実証した.(4)骨組の全体挙動は概ね設計通りの結果(間柱型ダンパーの降伏:層間変形角1/500rad,既存鋼構造建物の梁降伏:層間変形角1/100rad)を示し,層間変形角1/50radまで安定した履歴性状を呈した.また,スラブのひび割れ等の軽微な損傷は認められたものの,耐力低下を引き起こすような現象は生じず,接合部の設計は妥当であったと考えられる.(5)間柱型ダンパーを一本の曲げせん断軸力材にモデル化し,その力学特性を剛性マトリクスにより定式化した.柱・梁を曲げせん断棒,接合部をパネルにモデル化した既存鋼構造建物に上記ダンパーの剛性マトリクスを組み込んで解析した結果,各載荷振幅でのダンパーの最大耐力,最大変形を概ね捉えられることがわかった.
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Research Products
(9 results)