2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的脱水環化反応によるオキサゾリン類、チアゾリン類の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
07J02660
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 玲 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 環境低負荷 / モリブデン / 生物活性物質 / アミノ酸 / オキサゾリン / チアゾリン / 脱水環化反応 / ヘテロ環 |
Research Abstract |
アミノ酸誘導体から生物活性物質によくみられるオキサゾリン、チアゾリンを合成する脱水環化反応をほぼ中性の条件で実現できる酸化モリブデン触媒を既に開発している。触媒量でよく、副生成物が水のみであるという点で、多量の副生成物が生じる従来の脱本縮合剤を用いる方法に比べ、環境低負荷型の反応である点が特長である。 本反応を用いて、オキサゾリン、チアゾリン構造を有する生物活性物質の合成を目指し研究を進めた結果、抗腫瘍活性物質BE-70016の全合成を達成することができた。オルトヒドロキシシェニルオキサゾリンを鍵構造に持つ本化合物の合成は、酸化モリブデン触媒のみでは低収率にとどまり、よい結果が得られなかった。しかし、研究を進ある中で,安息香酸誘導体を添加することで収率を改善できることを見出した。そして抗腫瘍活性物質BE-70016の初めての化学合成に成功し、化合物の絶対立体配置を決定することができた。また、3つのオキサゾリシやチアゾリシなどのヘテロ環がつながった環状化合物Tenuecyclamideの合成ブロックを合成ずることができだ。酸性条件下や塩基性条件下ではラセミかしやすいアミノ酸由来の不斉点は、ほぼ沖性条件の本合成法を用いるとラセミ化することなく、目的の化合物を合成できた。 以上のように、環境への負荷が小さく、温和な条件で反応が進行する本合成法を用いて、生物活性物質を合成することができた。これらの結果は2報の論文に糞とめ、発表した。
|
Research Products
(4 results)