2007 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸生態系における残留性有機汚染物質の蓄積特性に関する研究
Project/Area Number |
07J02680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 まゆ子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ウミタナゴ / 母仔間移行 / 有機塩素系化合物 / サクラマス / 食物連鎖 / 生物濃縮 |
Research Abstract |
1.卵胎生ウミタナゴを用いた母仔間移行研究 大槌湾にて採集したウミタナゴの親魚(n=25)と胎仔(n=10)中の有機塩素系化合物(OCs)濃度を調査した。親魚の体サイズの個体差による影響をなくすために、移行率と親魚に対する胎仔の体重割合との関係を調べた。全ての物質群において、胎仔の成長にともなう移行率のゆるやかな増加が見られた。脂肪重量ベースで算出した親魚および胎仔中のOCs濃度を7月と8月で比較した。7月の胎仔中の平均濃度は親魚の13%であったのに対して、8月では140%であった。このことは胎仔への脂肪の移行にともなってOCsも親魚との平衡を保とうとし、連続的に移行したことが示唆された。 2.サケ科魚類におけるOCsの蓄積特性 サクラマスは降海する降海型と一生を河川で過ごす残留型が存在する。降海型サクラマスは約1年半の河川生活ののち、降海する。約1年後に母川回帰し、遡上後約4ケ月河川で成熟を待ってから産卵する。各成長段階におけるOCs蓄積を調べるために、幼魚から回帰親魚まで幅広い生殖腺指数(GSI)を持つサクラマス中のOCs濃度を調べた。海洋生活期を経たサクラマスは降海直後と比較して筋肉中で最大58倍、肝臓中で最大11倍にOCs濃度が増加した。卵形成の時期が近くなるにつれ、月刊蔵へと脂肪は集中する。この時、OCsの月刊蔵中濃度が筋肉中濃度の約7倍となり、降海直後の約4倍と比較すると高い値を示した。このことから、OCsも脂肪とともに肝臓へと移行することが示唆された。卵形成がさらに進むと肝臓中で合成された脂肪や蛋白が卵へと移行し、月刊蔵中OCs濃度は徐々に減少した。肝臓中OCs濃度はGSIが5%付近で筋肉中濃度と並び、最後には筋肉中濃度より下回ることが明らかとなった
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