2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02691
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田端 誠 Chiba University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エアロゲル / 宇宙塵 / アストロバイオロジー / たんぽぽ / チェレンコフ輻射体 / Belle |
Research Abstract |
研究代表者は0.01g/cm^3という超低密度のシリカエアロゲルを製作する技術を開発したが、これは超高速衝突してくる宇宙塵の非破壊捕集に極めて有用である。この超低密度エアロゲルは、国際宇宙ステーションの日本実験棟曝露部において実施される微生物・有機物捕集実験「たんぽぽ」で利用する予定である。たんぽぽ実験は主に地球由来の微生物・有機物の地球周回軌道上での検出を目指すアストロバイオロジー実験であるが、軌道上で宇宙空間曝露したエアロゲルを地上に回収したのち、生化学的分析を成功させるためには、エアロゲル中の不純物や検出対象となるアミノ酸等のレベルが低いことが重要である。本研究ではエアロゲルの製作環境・設備を再検討・構築し、クリーンな超低密度エアロゲルを開発した。製作したエアロゲルは有機物分析に供され、従来のエアロゲルよりも製造過程での汚染レベルが大幅に下がっていることが確認された。また、研究代表者は高密度(すなわち高屈折率)のエアロゲルの製法であるピンホール乾燥法を開発した。本研究により従来不可能であった屈折率1.11から1.26までのエアロゲルの開発に成功したばかりでなく、屈折率1.06から1.11の範囲では従来よりも透明度の高いエアロゲルの開発に成功した。これらの高屈折率エアロゲルはチェレンコフカウンターの輻射体として、次世代の原子核実験、および電子陽電子衝突実験「Super Belle」において利用される予定である。これらの実験において、エアロゲルは測定装置の重要な要素となる。
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Research Products
(6 results)