2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルと超音波を用いた遺伝子導入法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07J02719
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 健吾 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝子導入 / sonoporation / パルス超音波 / 微小気泡 / 細胞膜 / 核膜 / 蛍光観察 / タイムラプス観察 |
Research Abstract |
本研究は,臨床使用可能な超音波による遺伝子導入の実現を最終目標としており,本年度は細胞動態の持続的観察を通じて核内への遺伝子導入を阻む原因を明確にし,導入効率を増加させる方法の指針を示すための検討を行った。 ○実験システムの改良 ●チャンバ内培養液に抗生物質を添加した上で密閉することで,超音波を照射してから遺伝子発現までの24時間程度の間,無菌状態で細胞培養が継続できるようになった. ●改善したシステムを用いて,培養細胞のタイムラプス観察を行い,視野内を移動する細胞の変化を24時間程度追跡して観察できることを確認した.さらに手動で複数の視野の同時タイムラプス観察を行い,その可能性を確認した.これらの改善を元に,平成20年度では超音波照射時の気泡と細胞の位置関係が遺伝子発現におよぼす影響を調べる. ○遺伝子の細胞内動態の観察 ●蛍光標識した遺伝子の細胞内動態を調べるための予備的な検討として,細胞内に導入された蛍光色素Propidium iodideの動態を経時的に観察できることを確認した.また,各時間で撮影された画像から蛍光輝度の積分値を求めることで,細胞内の蛍光色素量の経時変化も評価できることを示した. ○核膜が遺伝子の核内導入に及ぼす影響 ●培養細胞の核を蛍光色素により標識することで,改善したシステムにより,細胞の分裂過程をタイムラプス観察できることを確認した. ●細胞周期の中期から後期(核膜消失期)に本手法による遺伝子導入を行い,核膜の有無が遺伝子発現に及ぼす影響を調べた.これまでに得られた結果では,核膜の有無により発現効率に大きな変化は見られていない.
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Research Products
(11 results)