2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質リン酸化にフォーカスした情報伝達系プロテオーム解析の新規システム開発
Project/Area Number |
07J02738
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森坂 裕信 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテオーム解析 / モノリスカラム / チタニアカラム / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
これまでに構築したチタニアカラムを用いたリン酸化物を特異的にトラップする2D-HPLCシステム(Anal Biochem. 2006 Mar 15;350(2):292-7.)を用いて、モデルケースとしてリン酸化タンパク質であるカゼインの分析を行い、リン酸化に焦点をあてた定量分析を確認した。次に本研究の目的である情報伝達系のプロテオーム解析を目指し、酵母抽出液をサンプルとし上記システムによる分析を行った。その結果、HPLC及び質量分析計によりリン酸化ペプチドのトラップは確認されたが、非常に多くのペプチドが競合するのでモデルケースと比較して、定性・定量性が著しく低下した。そこで、前処理としてタンパク質分離が必要であると判断し、さらにシステムに組み込む際にはフロー系が必須である、一般的に使用されているゲル電気泳動と比較して分離の多様性やスループットの向上を付加させたい、といった点を考慮し、モノリスカラムを用いたHPLCによるタンパク質の高速・高性能分離を検討した。そこで、タンパク質分離を目的としたワイドボアを有するモノリスカラムを調製し、タンパク質分離を行った。その結果、市販モノリスカラムと比較してタンパク質分離が大きく改善されたことを確認した。また、標準タンパク質を用いてサンプル回収率、検出限界、定量性のダイナミックレンジ等の基礎的なデータを蓄積した。さらにモノリスカラムの特徴である高速分離を確認し、これを応用し2D-HPLCシステムへ展開し、このカラムの有効性を確認した。さらに、細胞抽出物を分析し、基礎データを参考に分析メソッドの最適化を検討した。このワイドポアモノリスカラムと上記のシステムを融合させ、リン酸化に焦点をあてた情報伝達系の新規プロテオーム解析システムの構築を検討中である。
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Research Products
(2 results)