2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02755
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸松 玲治 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 量子群 / 作用素環 / ガロワ対応 / 自己準同型 / 部分因子環 |
Research Abstract |
今年度はコンパクト量子群のvon Neumann因子環への作用について研究し、コンパクト量子群のガロワ対応について成果を得た。ここで述べるガロワ対応とは代数学のガロワ対応の作用素環論における類似物である。代数学では体の拡大体を研究するが、作用素環論ではvon Neumann部分因子環を研究する。 私が考察した対象はコンパクト量子群のvon Neumann因子環への極小作用である。ガロワ対応は、不動点環と全体環との間のvon Neumann部分因子環とコンパクト量子群の部分群的対象との間の一対一対応が成り立つことを主張する。この結果は、それまで知られていた最良の結果である泉-Longo-Popaの「コンパクトKac環の極小作用についてのガロワ対応」をさらに一般化したものである。それゆえ、有限群の外部作用のガロワ対応の研究から始まるコンパクト性を持つ対象のガロワ対応の研究の内で、最良の結果である。 この結果を応用し、Kac型でない量子群の極小作用から、von Neumann部分因子環であり全体環から条件付き期待値が落ちないものを構成した。 私の研究課題の一つである「コンパクト量子群の極小作用」については、明らかになっていない事柄が多い。本研究はコンパクト量子群の極小作用の種々の問題について研究を進める上で重要な結果となるであろう。特に超有限型von Neumann因子環への極小作用の存在の可否について、中間von Neumann部分因子環の族の情報から研究することができる。
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Research Products
(4 results)