2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02755
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸松 玲治 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特任助教
|
Keywords | コンパクト量子群 / 極小作用 / 従順因子環 |
Research Abstract |
今年度は、従順コンパクトKac環の従順III型因子環への極小作用のうちモジュラー不変量を持たないものを分類した。特に古典型コンパクトLie群の従順III_1型因子環への極小作用は同型を除いてただ一つであること、すなわちII型作用となることが導かれる。作用素環論において群作用の研究は、重要な研究課題であることが広く認識されていること、また本結果はコンパクト群作用の分類理論についてであることとから作用素環論にとって有意義な研究となった。モジュラー不変量が消えていない作用についてはこれからの課題である。 またコンパクト量子群SUq(2)の無限テンソル積作用を研究した。SUq(2)の双対量子群のボワソン境界の非自明性により、この作用は極小ではないことが知られている。私は固定点部分環のdouble relative commutantを研究し、固定点部分環とから構成される因子環の包含が、コンパクトかつ既約でありさらに、深さ2であることを示した。それゆえ何らかのコンパクト量子群が従順因子環に極小に作用していることが分かるのだが、この量子群が1次元トーラスであること、そしてこの極小作用はモジュラー自己同型群から来ることも示した。この研究からSUq(2)の無限テンソル積から構成される包含がとても単純な構造をしていることが分かった。この研究結果は量子群SUq(2)の作用の分類理論を考える上で重要である。
|
Research Products
(5 results)