2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト冷戦期におけるロシアの多国間外交の展開とアジア太平洋地域主義
Project/Area Number |
07J02763
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 美保子 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロシア外交 |
Research Abstract |
今年度の成果として第一に、ソ連/ロシアのAPEC参入過程、プーチン政権下のAPEC戦略と実際の分野別作業部会等における政治・経済協力に関する報告者のこれまでの研究成果を「ユーラシア秩序の新形成」研究会(科学研究費補助金によるプロジェクト基盤研究B研究代表者・岩下明裕「ユーラシア秩序の新形成:中国・ロシアとその隣接地域の相互作用」)で報告したことを挙げる。ここでの議論から、報告者の関心は、これまでの研究に欠けていた北東アジア諸国とロシア極東地域の経済統合を進める過程でのロシア連邦政府と地方政府の目的の相違へと発展した。年度内の日本語学術雑誌への投稿はできなかったが、内容を修正した研究成果は2008年5月にロシア科学アカデミー極東支部極東諸民族歴史・考古・民族学研究所で行われる国際学会「変容する世界におけるロシア極東とアジア太平洋地域諸国」で報告し(ロシア語)、ロシア語学術雑誌に投稿する。 このロシア語論文を作成する過程で、ロシア外務省外交アカデミー(2007年8月30日から2007年7月末までの予定で留学中)を拠点にした資料収集、同アカデミーおよびモスクワ国際関係大学の中国・日本専門家からの助言、支援が非常に有益であった。彼らと協力関係を築けたことも今年度の大きな成果であると考えている。 上記以外の成果としては、ソ連崩壊後のロシアとASEAN諸国の関係構築・ロシアにとってのASEAN会議外交の意義をまとめた英語論文「Russia's Multilateral Diplomacy in the Process of Asia-pacific Regional Integration: The Significance of ASEAN for Russia」が2007年6月に北海道大学スラブ研究センターの出版物として発行された。国内外でロシア連邦とASEAN諸国の外交関係を扱った研究は稀であり、英語で発表したことによって国外のロシア外交研究者の関心を集めることができた。これは修正を加えた上ロシア語に翻訳され、2008年末にモスクワめ出版社から出る論文集に掲載されることが決まっている。
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Research Products
(4 results)