2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトームの網羅的解析によるクロマツのマツ材線虫病抵抗性要因の解明
Project/Area Number |
07J02766
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能勢 美峰 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マツ材線虫病 / トランスクリプトーム / 遺伝子発現 / 抵抗性 / クロマツ / SAGE分析 / 定量的PCR |
Research Abstract |
マツ材線虫病抵抗性個体の保有する抵抗性要因を明らかにするために,トランスクリプトーム解析によって抵抗性クロマツの線虫に対する反応を明らかにし,抵抗性要因の解明を試み,次の研究成果を得た。 1.改良LongSAGE法によるマツ材線虫病抵抗性クロマツのトランスクリプトーム解析 抵抗性クロマツの線虫に対する反応を明らかにするために,線虫接種3日後のトランスクリプトーム解析を行った。改良LongSAGE法を用いて4つの発現遺伝子ライブラリー(各約5200タグ)を構築し,ライブラリー間で比較することで発現量の変化した遺伝子を評価した。その結果,抵抗性と非抵抗性クロマツでは線虫に対する反応が異なることが明らかになった。抵抗性クロマツでは,活性酸素の除去が効率よく行われていると推定された。一方,非抵抗性クロマツでは,活性酸素の集積やPRタンパク質の発現などの防御反応が進み,これらの反応によって枯死に至ると推定された。 2.SAGEタグ情報を用いたcDNA 3'末端のシークエンス さらに,遺伝子機能が未明の発現遺伝子について,タグ塩基配列をプライマーとしたPCR増幅を行い,cDNAの3'末端のシークエンスを試みた。その結果,遺伝子機能が特定できなかったものについても,いくつかの遺伝子で機能を推定することができた。 3.qRT-PCRによる改良LongSAGEライブラリーの信頼性の評価 改良LongSAGE法による分析の結果,異なる発現パターンが観察された5つの遺伝子を対象にqRT-PCR法を行った。その結果,改良LongSAGE法とで同じ結果(発現量の増加・減少)が得られたことから本研究成果の信頼性は高いと考える。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Ribosomal DNA haplotype distribution of Bursaphelenchus xylophilus in Kyushu and Okinawa islands, Japan
Author(s)
Nose, M., Shiraishi, S., Miyahara, F., Ohira, M., Matsunaga, K., Tobase, M., Koyama, T., Yoshimoto, K.
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Journal Title
Journal of Nematology (印刷中)
Peer Reviewed
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