2008 Fiscal Year Annual Research Report
太陽風を利用した宇宙推進システム実現を目的とした研究
Project/Area Number |
07J02798
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 浩之 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電磁流体力学 / 宇宙推進 / 太陽風 / 推力発生機構 |
Research Abstract |
磁気プラズマセイルは宇宙機に搭載した超伝導コイルとプラズマ噴射により強い磁場を形成し,その磁場を帆として惑星間空間中の太陽風(高速のプラズマ流)を受けることで推力を得る.プラズマ噴射により形成された(磁場インフレーションされた)磁気圏と太陽風の干渉を理想電磁流体力学に基づいてシミュレーションし,磁気プラズマセイルの推力発生メカニズムについての解析を実施した,噴射プラズマ流のAflven Mach数と磁気プラズマセイルの推力の関係を調べた結果,噴射プラズマ流のAlfven Mach数が1を超えると磁気プラズマセイルは推力を得られなくなることが明らかとなった.この結果は磁気プラズマセイルが推力を得る為には電磁流体波(MHD波)が太陽風から宇宙機にまで伝わる必要があることを示している。すなわち,太陽風から宇宙機への運動量伝達プロセスにおいてMHD波が重要な役割を果たしていることが明らかにした. 磁気プラズマセイルの推進性能についての評価を行った.推進性能の評価には,太陽風運動量の推力への返還効率と推力の噴射プラズマの運動量に対する比率,2つのパラメータを導入した.磁気プラズマセイルが推力を得る為には亜音速の噴射プラズマ流を磁場形成に用いる必要があるが,このような条件では高い推進効率が発揮できないことが示された. 明らかにした推力発生メカニズムを基に,推進効率を改善する方法について検討を行った.磁場形成に用いる噴射プラズマの噴射方向を太陽方向に限定することで,噴射プラズマ流の運動量をも推力として利用する方法について検討を行った.シミュレーションにより磁気プラズマセイルとしての推力に加えて噴射プラズマ流による推力も推進に利用できることが示されたが,推進効率の改善は数割程度であることも示された.
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Research Products
(4 results)