2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ内胚葉性器官の形態異常を示すimsetyの責任遺伝子の解析
Project/Area Number |
07J02801
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
穂積 俊矢 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 内胚葉 / ゼブラフィッシュ / 細胞死 / 内胚葉性器官 |
Research Abstract |
本年度は、imsety(ims)変異胚において、神経発生の詳細な解析や細胞死の検出を行った。また、ims変異胚と同様に、内胚葉性器官の発生に異常を示すmorendo(mor)変異体の解析を行った。 <1.神経系についての解析>神経マーカーであるneurogenic differentiation, (neuroD)とisletl (isll)の発現を調べることにより、神経の形成を観察した。受精後35時間後では、野生型胚とims変異胚との間に、発現領域、発現強度の差は見られなかった。しかし、ims変異胚では、neuroDは受精後35時間以降、isllは受精後40時間以降に、発現の減少が観察された。このことから、imsの原因遺伝子は、神経発生にも重要な働きがあることが示唆される。 <2.細胞死の検出>ims変異胚の内胚葉や神経系の発生異常が、細胞死である可能性が考えられた。そこで、死細胞を検出できるアクリジンオレンジ染色を行った。この結果、ims変異胚では、受精後35時間以降から、眼杯に細胞死が観察された。また脊髄でも細胞死が観察され、受精後100時間までに、細胞死が頭部から尾部へ拡大することが観察された。しかし、内胚葉性器官における細胞死は検出できなかったため、更なる条件検討が必要である。 <3.mor変異胚の解析>mor変異体は腸管の腸絨毛形成に異常がみられる変異体として同定された。in situハイブリダイゼーションにより、腸管、膵臓、肝臓の各マーカー遺伝子の発現を調べたところ、これらの減少が確認された。ims変異体とmor変異体の詳細な解析と原因遺伝子の同定により、まだ明らかにされていない、内胚葉性器官形成の遺伝的メカニズム解明の手がかりになると考えられる。
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Research Products
(4 results)