2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ内胚葉性器官の形成異常を示すimsetyの責任遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
07J02801
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
穂積 俊矢 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 内胚葉性器官 / ゼブラフィッシュ / p53 |
Research Abstract |
本年度は、imsetyと同様に内胚葉性器官の発生に異常を示すmorendo(mor)変異体の解析を重点的に行った。 <1.morの責任遺伝子の同定> mor変異体の責任遺伝子の同定を目的に、ポジショナルクローニングを行った結果、mor変異体の責任遺伝子(mor遺伝子)を明らかにすることに成功した。mor変異体のmor遺伝子では、翻訳領域に塩基置換が認められ、Morタンパク質内の種間で保存されたドメインに、アミノ酸残基の置換が起きていることが予想された。この結果から、mor遺伝子の塩基置換がmor変異体の表現型の原因であることが示唆された。 <2.内胚葉性器官についての解析> mor変異胚における内胚葉性器官の異常が、どの発生過程で起きているのかを調べるため、肝臓や膵臓、腸管のマーカー遺伝子の発現を、in situハイブリダイゼーションにより調べた。その結果、細胞分化は正常だが、器官の拡大・維持に異常が見られることが示唆された。また、mor変異胚の内胚葉性器官や頭部において、細胞増殖を抑制し、細胞死を促す因子であるp53の遺伝子発現の著しい上昇が検出された。このp53遺伝子の発現上昇が、mor変異胚で見られる、内胚葉性器官の拡大・維持の異常の原因であることが予想される。mor変異体の詳細な解析と原因遺伝子の同定により、未だ明らかにされていない、内胚葉性器官形成の分子メカニズム解明の手がかりになると考えられる。
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Research Products
(4 results)