2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機農業と近代農業の比較研究:南インド・ケーララ州の事例を通して
Project/Area Number |
07J02834
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 晶子 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 南インド / 有機農業 / グローバルフードシステム |
Research Abstract |
本研究は、南インドのケーララ州で広がりつつある有機農業の普及を、二つの視野から検証することを目的としている。より広い視野からは、ケーララ州における有機農業の生産が、グローバル農産物市場とどのようにかかわっているか、有機農産物のフォードシステムを調査する。そして、農村レベルにおいては、有機農業への転換が、人間と生態環境、人間同士の関係にどのような影響を与えているか明らかにしようとするものである。そのため、本年度は、海外におけるフィールド調査を中心に研究活動を行った。まず、7月には、3週間の日程でイギリスを中心とする欧米諸国を訪問し、有機農産物の市場およびフード連鎖の調査を実施した。この調査の主要な目的は、南インド、ケーララ州の調査村で生産されている農産物が、どのようなアクター間によって、どのような経緯をとおり、最終的に消費者の手にわたるか把握することである。貿易会社、大手スーパー、輸入食品店等を対象に、聞き取り調査を行い、消費者の手にわたるまでの多様な経路とプライステイカーの把握がその成果といえる。 また、8月下旬からは、南インド、ケーララ州で農村調査を行った。3ヶ月間の間に約150世帯の営農調査を実施した。それに加え、調査村の農業生態系、土地利用の全貌、社会組織の種類と力関係といった基礎的なサーベイ調査を一段落つかせ、次の本調査につながる基礎情報が収集できたといえる。上記の調査の成果は、論文とポスター発表にまとめ、次の調査に向けての貴重なフィードバックを得ることができた。
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Research Products
(2 results)