2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内分子標的治療の確立を目指したイントラボティの効率的創製法の開発
Project/Area Number |
07J02872
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 一也 Osaka University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞内分子標的治療 / イントラボディ / ファージ抗体ライブラリ |
Research Abstract |
モノクローナル抗体による分子標的治療は、がんや自己免疫疾患などの難治性疾患に対する画期的な治療法として、現在、臨床で大きな治療効果をあげている。また、近年の疾患プロテオミクス研究の進展も相俟って、分子標的治療のターゲットとなりうる候補蛋白質が続々と見出され、本治療法への期待はますます大きくなっている。しかし、現在見出されている創薬ターゲットとなる蛋白質は、これまでの抗体医薬の抗原である細胞膜蛋白質や分泌型サイトカインばかりではない。細胞の情報伝達を担う細胞内蛋白質の異常によっても疾患を発症・悪化させることは数多く報告されている。このような背景から、細胞内でモノクローナル抗体をイントラボディとして機能させることができれば、次世代の分子標的治療法を開拓できるものと注目を集めている。 これまでに私は、モノクローナル抗体をin vitroで迅速かつ簡便に作製可能な高品質のナイーブファージ抗体ライブラリを作製し、各種抗原蛋白質に対して抗体の単離に成功している(Biol Pharm Bull 2006)。そこで本年度は、本ライブラリを利用して、既知抗原に対するイントラボディの作製を試みた。その結果、アポトーシス関連蛋白質Caspase8とBidに対してそれぞれ特異的なモノクローナル抗体の単離に成功した。更に、得られた抗体クローンの遺伝子を細胞内で発現させたところ、可溶性に発現し、細胞内で機能しうることを明らかにした。 また一方で、得られた抗体の中和活性を評価していくために、様々な細胞株を用いてアポトーシス感受性試験を試みた。その結果、抗Fas抗体の添加により、Jurkat、HeLa、Caki-1、HCT-116で細胞傷害性が認められた。今後は、得られたモノクローナル抗体のイントラボディとしての機能評価を更に進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)