2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内分子標的治療の確立を目指したイントラボディの効率的創製法の開発
Project/Area Number |
07J02872
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 一也 Osaka University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞内分子標的治療 / イントラボディ / ファージ抗体ライブラリ |
Research Abstract |
モノクローナル抗体による分子標的治療は、がんや自己免疫疾患などの難治性疾患に対する画期的な治療法として、現在、臨床で大きな治療効果をあげている。また、近年の疾患プロテオミクス研究の進展も相俟って、分子標的治療のターゲットとなりうる候補蛋白質が続々と見出され、本治療法への期待はますます大きくなっている。しかし、現在見出されている創薬ターゲットとなる蛋白質は、これまでの抗体医薬の抗原である細胞膜蛋白質や分泌型サイトカインばかりではない。細胞の情報伝達を担う細胞内蛋白質の異常によっても疾患を発症・悪化させることは数多く報告されている。このような背景から、細胞内でモノクローナル抗体をイントラボディとして機能させることができれば、次世代の分子標的治療法を開拓できるものと注目を集めている。 前年度までに私は、当研究室独自のナイーブファージ抗体ライブラリ(Biol.Pharm.Bull.2006)を用いて、アポトーシス関連蛋白質(Caspase-8,Bid)に対してモノクローナル抗体を1クローンずつ単離することに成功している。さらに、これらクローンを細胞内で発現させたところ、可溶性に発現したことから、イントラボディとして細胞内で機能しうることを明らかにしてきた(Pharmazie2008in press)。しかし、イントラボディとして細胞内で強く抗原蛋白質に結合し、中和活性を示す抗体クローンをスクリーニングするには抗体の数が少ないため、本年度は高い結合力をもち、数多くの抗体単離が期待される免疫ファージ抗体ライブラリの作製をCaspase-8、Bid、p53それぞれに対して試みた。その結果、3種類で1000万種類以上の多様性を有するライブラリの構築に成功した。そこで来年度はこれらライブラリから数多くの抗体を単離し、イントラボディとして細胞内で機能する抗体のスクリーニングを試みる予定である。
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Research Products
(6 results)