2009 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分離と小胞輸送制御への関与が期待される低分子量G蛋白質Gieの機能解析
Project/Area Number |
07J02897
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊香 順史 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リソソーム |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質は様々な細胞内のシグナル伝達を制御するスイッチ分子として機能する蛋白質群であり、生理応答の制御に極めて重要な位置を占めている。当研究室で単離・同定した低分子量G蛋白質Arl8/Gieは、多細胞生物種間で非常に高度に保存されていることや線虫においてArl8の発現抑制が胚性致死の表現型を示すことから、生体内で非常に重要な機能を担っていると考えられた。近年になり、Arl8はリソソーム小胞に局在することが報告されたが,未だその詳細な機能及び分子機構に関しては不明だったことから、私は培養細胞を用いてArl8の機能の解明を進めた。 私はEpidermal growth factor(EGF)の輸送過程をモニターすることにより、Arl8を発現抑制した細胞において、細胞内に取り込まれたEGFが通常よりも早いタイミングでリソソームに輸送され、分解されることを明らかにした。このArl8の発現抑制により生じる早いEGFの分解は後期エンドソームに局在するSNARE分子syntaxin7の発現抑制により部分的に抑制されたことから、Arl8は後期エンドソームとリソソームの融合に対して抑制的に働く分子であることが示唆される。さらに、私はArl8の発現抑制により、cation-independent mannose 6-phosphate receptor(CI-M6PR)のリソソームによる分解が引き起こされること、また、後期エンドソーム、リソソームの形態に異常が生じることを明らかにし、Arl8が正常なリソソームの形成に必須な分子であることを見出した。
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Research Products
(1 results)