2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖修飾らせんポリマーとタンパク質の特異的相互作用に基づくバイオセンシング法の開発
Project/Area Number |
07J02970
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 一世 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | らせん高分子 / 糖鎖高分子 / バイオセンサー / レクチン / 糖鎖クラスター効果 / 円二色性 |
Research Abstract |
本研究は、主鎖にらせん構造を有するポリアセチレンの外部刺激応答性、すなわち、らせん構造の変化に伴う物性の変化に着目し、糖の特異的分子認識を色やキラリティーの変化として出力するバイオセンサーの開発を目的とする。平成19年度は側鎖に様々な糖(グルコース、ガラクトース、マンノース、マルトオリゴ糖、ラクトース、N-アセチルグルコサミン、シアル酸)を有するポリアセチレンの合成を行った。また、円二色性(CD)スペクトル測定により、これらの糖含有ポリマーが主鎖に一方向巻きに偏ったらせん構造を有すること、および、溶媒などの外部刺激に対して色やキラリティーを変化させる刺激応答性を持つことを明かにした。この結果は、レクチン捕捉などの外部刺激によって、ポリマーの物性が変化する可能性を示唆した意味で重要である。 また、グルコース、および、ガラクトースを側鎖に有するポリアセチレンのレクチン認識能について、蛍光定量法により評価した。この結果、双方のポリマー共にコンカナバリンAやピーナッツレクチンなどのレクチンを特異的に認識することが明かとなった。また、ポリマーとレクチンの結合定数は、対照物質として用いた単糖誘導体に比べて数百倍大きな値を示した。この結果は、ポリマーの側鎖に糖が濃密に配列されることによってレクチン認識能が高まる"糖鎖クラスター効果"を示唆するものであり、高感度なバイオセンシングへの応用に際して非常に重要である。これらの研究成果は国内外の学会や学術雑誌上で発表しており、申請時の研究実施計画は予定通り遂行された。
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Research Products
(7 results)