2007 Fiscal Year Annual Research Report
比較ゲノム構造解析と生化学的再構成による細菌核様体構築原理の探索
Project/Area Number |
07J02998
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 重伯 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 染色体 / 原子間力顕微鏡 / 大腸菌 |
Research Abstract |
・核様体の基本構造構築原理の究明:1.精製したプラスミドDNAと精製したHUやIHF、とから40nmファイバーを安定に再構成する方法を確立する。2.HUとプラスミドから再構成したファイバーを基本に、それに対するIHF、H-NS、Fisといったタンパク質添加の効果を調べる。-結果:プラスミド構造体の単離方法を確立し、大腸菌染色体構造の一つのビーズはRNAポリメラーゼなどを含む転写活性構造だったことを明らかにした。さらに、試験管内で精製プラスミドDNAを精製RNAポリメラーゼを用いて転写を起こしたところ、精製構造タンパク質(HU,Fis,H-NS)が加えた場合、転写効率が上がり約30nmのファイバーが作られることを確認した。その結果、大腸菌の染色体構造タンパク質は転写活性に大事な役割をしていることを明らかにした。核様体の30nmファイバー構造の顕微鏡観察方法の確立はゲノム上の転写活性部位を識別し、遺伝子の発現と染色体構造の関係を明らかにする手掛かりになると考えられる。 ・Dpsの発現制御機構の解明:1.酸化ストレス下におけるゲノム構造の観察/欠損株を用いた解析/強制発現系における解析-結果:大腸菌染色体の単離方法を確立し、バクテリア染色体も真核生物染色体と同様の高次構造が存在することを明らかにした。特に凝縮されている構造はDpsタンパク質が関連されていることを証明した。 ・菌界における凝集機構の普遍性と特異性:1.各制御因子の菌界における分布、ならびにDPSプロモーターにおける制御因子の結合部位の同定から菌界におけるDps発現制御系の進化的側面を明らかにする。2.代表種を用いて実際に予測された制御系が働いているかどうかを調べる。-結果:葡萄状球菌染色体の構造解析に成功し、大腸菌染色体で観察された高次構造は菌界全般のバクテリア染色体に普遍的に存在することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)