2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域生活における重度知的障害者の参加促進支援モデルの開発
Project/Area Number |
07J03054
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
古井 克憲 Osaka Prefecture University, 人間社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 重度知的障害者 / 参加促進支援 / アクションリサーチ / ケアマネジメント / 質的調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害者自立支援法の施行による重度知的障害者の生活の変化を解明し、重度者の生活を包括した参加促進支援モデルを開発することである。平成19年度は、申請者が長年、重度知的障害者の地域生活支援で実績のある組織「Aの会」で参与観察を中心としたフィールドワークを継続する中で実践者との協働で行ったアクションリサーチの結果を、学位論文(『重度知的障害者の地域生活を支援するためのアクションリサーチ-「参加」を促進する組織的戦略』)として完成させた。これは、申請者が開発することを目指す「参加促進支援モデル」の骨子であり、今後、モデルとしてさらに深化させるため、他の実践現場においても検証できるに足る内容のものである。具体的には本年度における研究の意義として第1に、学位論文において、重度知的障害者の地域生活支援によって重度者の生活の質が向上した、かつ実践者の意識変革をもとに実践が改善した効果を、質的方法を用いたアクションリサーチの結果から、実証的、具体的に示した点にある。第2の意義は、これまでの研究成果を日本社会福祉学会、関西社会福祉学会、日本質的心理学会で公表することによって、障害者自立支援法の下でのより一層重視されている障害者ケアマネジメントのあり方と、今後の重度知的障害者に対する「参加」をキーワードとした地域生活支援の展望について実践に基づき理論的考察をもとに示した点にある。この2点は、国内外の知的障害者福祉分野においてこれまで十分に明らかにされているとはいえず、重要な知見を提示したとともに、公表することを通して、研究目的に即した社会的貢献をなしえたといえる。
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Research Products
(4 results)