2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質の構造生物学:レチナール膜タンパク質ハロロドプシンの吸収波長制御機構
Project/Area Number |
07J03077
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保 恵美 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 膜タンパク質 / 構造生物学 / ハロロドプシン / イオンポンプ / 光生物 / 吸収波長制御 / クロライドイオン |
Research Abstract |
本研究は、膜タンパク質の機能・構造への理解を深めるために、モデルタンパク質として優れている高度好塩古細菌由来光駆動型C1-ポンプハロロドプシン(phR)を用いて、以下の2つの研究を遂行している。 1、ハロロドプシンのC1-ポンプメカニズムと吸収波長制御機構の解明 phRは、分子内の発色団レチナールに由来する可視吸収を持つ。phRのC1-輸送は、発色団の光異性化により開始され、分子内におけるC1-の位置により特徴的な吸収波長を示す中間体を経由して基底状態に戻る一連の反応経路(フォトサイクル)を通る。私達は、Flash photolysis測定によりphRの1周数十ミリ秒のフォトサイクル反応を詳細に明らかにし、C1-輸送メカニズムをモデル化した(Hasegawa, et. al., 2007; Seki, et. al., 2007)。 phRのC1-取込みメカニズムの解明のために、取込み側膜貫通領域に唯一存在する塩基性アミノ酸Arg123に注目し変異体実験を行った。分光学的及び電気化学的手法によりこの+電荷がC1-取込みに必須であることを明らかにし、その側鎖が大きく構造変化することによりC1-を分子内に取込むことを推定した(Kubo, et. al., in preparation)。 2、ファラオニスハロロドプシン(phR)のX線結晶構造解析 phRの結晶構造を理解することは、phRのC1-輸送メカニズム解明や類縁膜タンパク質との比較研究にとって非常に意義深い。さらに、目覚しい発展を遂げる計算科学的手法を取り入れた研究も可能となる。現在までに、蒸気拡散法により分解能8AのphR結晶を得ることに成功している。今後は、より高分解能を目指し、タンパク質精製条件や結晶化条件を検討しながら結晶調製に励む予定である。
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Research Products
(8 results)