2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規反応開発を基盤とする医薬リード化合物の設計と合成
Project/Area Number |
07J03079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元木 理絵 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 触媒 / トリフルオロメチル / 不斉 / 四置換炭素 |
Research Abstract |
「フッ素」の有用性は様々な分野において注目されているが、不斉四置換炭素上にCF_3基を有する化合物の効率的合成は従来法では難しく、医薬品の構造を制限する要因の一つになっていた。「医薬化合物ライブラリーの多様性の向上」を通した創薬化学への貢献を目指し、CF_3置換キラル三級アルコールの効率的合成法の開発に取り組んだ。 当研究室では既にトリフルオロメチルケトンに対する世界初の触媒的不斉ビニル化およびフェニル化反応の開発に成功している。Motoki, R.; Kanai, M.; Shibasaki, M."Catalytic Enantioselective Alkenylation and Phenylation of Trifluoromethyl Ketones" Tetrahedron, Lett.2006,47,8083。しかしながら、この方法においてはあらかじめシリル基で活性化されたプレ求核剤を用いる必要があった。 より効率的な合成法の確立を求めて、触媒的不斉アルキニル化反応の開発を行った。この反応はシリル基の補助を必要とせず、直接的にアルキンの末端プロトンを引き抜くことができる点において、上記の反応よりもコンセプト的に優れているといえる。 種々の反応条件の検討によって高収率で基質一般性高く目的物を得ることに成功した。(1)一般に反応性の低い銅アセチリドを求核種として用いたこと、(2)反応系中で生成するカリウム塩が反応性の向上に大きく寄与する知見を見出したことの二点が特筆すべき点である。現在不斉収率の向上、抗HIV薬(efavirenz)合成への展開に取り組んでいる。
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Research Products
(5 results)