2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 憲雄 The University of Tokyo, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 擬制親族関係 / 東アジア / 東部ユーラシア / 外交文書 / 外交儀礼 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、特に隋代から宋代にかけて東アジア諸勢力間の外交関係として散見される「擬制親族関係」に注目して、東アジア地域の外交関係を検討することに加え、特別研究員としての研究成果全体をもとに、外交を通じた東アジア地域の連関を明らかにして、日本史を中心にした各国・各地域の歴史を、「東アジア」という地域の中に改めて位置付け直すことである。 まず前者に関しては、以前に行った隋・唐代、および日本-渤海間の擬制親族関係についての予備的な検討をもとにして、時期を宋代にまで広げ、対象も中国王朝と西方・北方の諸勢力間や、日本-渤海間以外にも広げて擬制親族関係の事例を集積して、東アジア地域における実際の外交関係の全体像を明らかにした。その結果、従来説かれてきた日本・中国・朝鮮を中心とする、いわゆる「東アジア世界」に関しても、より広く中国の北方・西方を加えた「東部ユーラシア」という視点や、より狭く日本と朝鮮の類似性に注目するなど、複数の枠組を利用することで、より多様な理解が可能であることを提示した。 また後者に関しては、宋代の外交文書・外交儀礼についての新たな研究を土台として、来る5月に歴史学研究会日本古代史部会において、「倭国・日本史と東部ユーラシア-6~13世紀における政治的連関再考-」と題する大会報告を行う機会を与えられた。当該報告では、従来「東アジア」という地域設定のもとに、西嶋定生・石母田正両氏の枠組で説明されてきた、7・8世紀を中心とする「東アジアの中の日本(史)」に対して、「東部ユーラシア」という新たな地域設定と、宋代を加えた新たな時期設定から再検討を加えていく。さらにこの作業を通じて、日本史も含めた広域の地域世界像についても言及していく予定である。 最後に、今年度は中華人民共和国・北京大学中国古代史研究中心主催の国際シンポジウムに招かれ、本研究全体を通じた重要な検討課題である、日本-渤海関係の報告を行ったことを付記しておきたい。
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Research Products
(6 results)