2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03097
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
早乙女 飛成 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強擬凸多様体 / 接触多様体 / 擬正則 / 量子コホモロジー |
Research Abstract |
強疑凸多様体における擬正則曲線の理論の構成を最終的な目標として、強疑凸多様体における擬正則写像の幾何学的性質について研究を行いました。具体的には、擬正則写像に対する特異点除去定理の研究を行い、また滑らかさに関する靴紐理論の構成を現在も進めています。 強疑凸多様体は奇数次元の幾何学的対象でありますが、近年大域幾何学の中で研究が盛んである偶数次元のシンプレクティック多様体に類似する性質を多く備えています。今回行った研究は、シンプレクティック幾何学との類似として期待されるべき性質の研究であり、結果としても類似的性質の成り立つことを示すことができましたが、研究を行う中で奇数次元特有の性質のあることも明らかになってきました。強疑凸多様体における擬正則写像は常に調和写像となることが知られています。しかしながら一方で、強疑凸多様体は標準的な計量を備えていますが、シンプレクティックの場合と異なり強疑凸多様体における擬正則性は共形不変性を持たないため偶数次元で用いられていた議論を適切に変形し適用する必要がありました。 特異点除去定理は、擬正則写像の拡張の問題として定式化されますが、シンプレクティック幾何学における擬正則曲線の理論においては擬正則曲線全体の空間がコンパクトになることを示す際に重要な役割を持っていました。すなわち、擬正則曲線の変形の極限として現れる部分的に定義された写像が滑らかに拡張され、また擬正則曲線となることを特異点除去定理は示しています。 今後の進展として、特異点除去定理を靴紐理論を結びつけることにより、シンプレクティック幾何学と同様の議論を進めていくことを考えています。
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Research Products
(3 results)