2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03102
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
豊田 知世 Hiroshima University, 大学院・国際協力研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中国 / 農業の近代化 / エコロジカルフットプリント / 環境 |
Research Abstract |
本年度は、農業の近代化による環境影響評価を目的とし、以下のとおり実施した。 1.FAOや各国の統計書から農業データを収集し、農業基礎データの整備を行った。 2.過去のアジア(日本・韓国・台湾)とアメリカが農業の近代化を果たしつつ急速に農業生産性を向上した背景に、総合的な環境影響がどのように変化したのかエコロジカルフットプリント(EF)の手法を用いて評価した。各国が二重経済論における経済的転換点を通過後に、実際に作付けられた農地(直接EF)と農業資本の使用・製造過程から発生する環墳的負荷を吸収する土地(間接EF)がどう推移してきたのか、EF国際比較の論文を執筆中である。 3.上記方法を用いたEF分析のために必要な中国農業のデータ整備を行った。ここでは、中国の土壌や作付け品目は地域によって大きく異なることから、地域別、品目別にデータを整備し、分析を行った。 4.世界規模でバイオ燃料需要が急増している中、バイオ燃料利用が2030年までに大幅に促進されたケースを想定し、トウモロコシ貿易マトリックスがどのように変化するかアジア地域を対象に推計を行った。さらに、輸送用エネルギー消費による環境影響もEFによって評価し、環境的により望ましい国際的なトウモロコシ取引のあり方について試算した。 5.中国の農業近代化による農業資本効率性とEFの実証研究を行うため、2008年3月に1ケ月間、中国湖南省農村にてフィールド調査を行った。 最終年度となる来年度は、上記の分析やフィールド調査の分析を踏まえ、一次データを利用した中国の農業近代化の環境評価と農業投入効率性の実証分析を行う。さらに、これらの分析結果をもとに、アジア地域の持続可能な農業生産性の向上のあり方についてさらに分析を進めたい。
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Research Products
(1 results)