2007 Fiscal Year Annual Research Report
dGTPの酸化損傷体の生細胞における変異誘発とその防御機構の解明
Project/Area Number |
07J03120
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀 美香 Hokkaido University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 酸化損傷ヌクレオチド / ヌクレオチドプール浄化酵素 / 変異 / 二次酸化体 / 癌 / 酸化ストレス / 8-hydroxyguanine / ヌクレオチド除去修復 |
Research Abstract |
本研究では、酸化ストレスマーカーである8-hydroxyguanineのヌクレオチド体、8-hydroxy-dGTP(8-OH-dGTP)とその二次酸化体、spiroiminodihydantoin-2'-deoxynucleoside5'-triphosphate(dSpTP)及びguanidinohydantoin-2'-deoxynucleoside5'-triphosphate(dGhTP)の生細胞における変異誘発能とその除去にDNA修復機構が関与するか否かを明らかにすることを目的とする。 1.dSpTP及びdGhTPの合成、精製の検討:dSpTP及びdGhTPをdGTPの酸化反応により合成し、逆相HPLCや陰イオン交換HPLCを用いて精製し、純度を確認した。 2.哺乳動物細胞を用いたヌクレオチドプール浄化酵素の酸化損傷ヌクレオチド除去への関与:哺乳動物細胞のヌクレオチドプール浄化酵素が8-OH-dGTPにより誘発される変異を抑制するか否か検討した。siRNAを用いて各蛋白質をノックダウンしたヒト293T細胞に8-OH-dGTPを直接導入し、誘発変異を調べた。その結果、数種の蛋白質のノックダウンによりコントロールsiRNA導入時と比較して、8-OH-dGTPにより誘発されるA:T→C:G変異の増加傾向が観察された。このことから、ヌクレオチドプール浄化酵素が哺乳動物細胞において実際に8-OH-dGTPを除去していることが示唆された。 3.ヌクレオチド除去修復酵素の酸化損傷ヌクレオチド誘発変異の促進:ヌクレオチド除去修復酵素欠損細胞において、8-OH-dGTP導入時に変異体率の低下が観察された。このことから、ヌクレオチド除去修復酵素は、酸化損傷ヌクレオチド誘発変異を促進することを明らかにした。
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