2008 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性ダイアド分子による有機薄膜太陽電池のナノ構造制御
Project/Area Number |
07J03127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西澤 剛 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ダイアド / オリゴフェニレンビニレン / フラーレン / 有機薄膜太陽電池 / ラビング / 一軸配向 |
Research Abstract |
本研究では、強いII-II相互作用を持つオリゴフェニレンビニレン(OPV)分子をドナー部位に導入したOPV-フラーレンダイアドを設計し、電荷輸送の効率化の検討を行った。長さの異なるアルキル側鎖をもつダイアド分子を合成し、そのデバイスの作製、評価を行った。擬似太陽光(AM1.5)照射下において評価した結果、側鎖が短くなるにつれて光電流が1.56から3.20mA/cm2へ、フィルファクター(FF)が0.30から0.41へと向上した。また、アルキル鎖の最も短いダイアドのデバイスにおいて熱処理の効果を検討したところ、光電流とFFが3.33mA/cm2、0.44とそれぞれわずかに向上し、その結果、1.28%という高い変換効率を達成した。この値は、現在までに報告されているダイアド分子を用いたデバイスにおける最高値である。 電荷輸送効率を向上させるためには、分子間の強い相互作用による分子配列の他に、薄膜中における分子配向の制御も重要である。そこで本研究では、分子の自己組織化による配向制御を目指し、極性部位(オリゴエチレンオキサイド)、非極性部位(アルキル鎖)、および剛直部位(オリゴフェニレンビニレン(OPV))を持つ両親媒性OPVを設計した。配向制御はラビング法を用いて検討を行った。また、分子のアルキル鎖の長さを変えることにより、各部位の相互作用を調節することで分子の配向性への影響を検討した。一軸方向にラビングした上に、OPVの薄膜をスピンコート法により作製し、直線偏光を用いた吸収スペクトル、面内XRD測定により分子の配向性の検討を行った。その結果、分子が熱処理などを一切行っていないスピンコート直後の薄膜において、ラビング方向と平行な方向に高い一軸配向性(吸収の二色性D=41.0)を示すことが明らかとなった。また、太陽電池デバイスへ応用したところ、光感受率の高い異方性が観測された。
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Research Products
(4 results)