2008 Fiscal Year Annual Research Report
凍結耐性レベルを左右するアブシジン酸応答機構のマイクロダイセクション
Project/Area Number |
07J03134
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小林 史典 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物ゲノム研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | パンコムギ / ABA感受性 / QTL / 突然変異体 / 凍結耐性 / マッピング |
Research Abstract |
パンコムギの凍結耐性発揮におけるアブシジン酸(ABA)の役割を調べるために、以下の解析を行った 1.パンコムギ幼苗におけるABA感受性に関与する量的遺伝子座(QTL)を検出するために、パンコムギ組換え近交系統(RILs、210系統)を用いて以下の実験を行った。(1)フレームマップ作成のためのSSRマーカーの選抜を行った。現在までに551マーカー中301マーカーについて、RILsの遺伝子型の特定を行い、フレームマップを構築した。(2)昨年度行ったABA感受性試験の結果と合わせてQTL解析を行い、パンコムギゲノム内の5カ所(1B、2A、3A、6D、7B染色体)に有意なQTLを検出した。ムギ類の幼苗におけるABA感受性に関与するQTLの報告はこれまでになく、検出されたQTLは新規の遺伝子座である可能性が高い。今後は、QTLを保有する系統の非生物的ストレス(低温、凍結、乾燥)耐性、およびQTLとABAに応答する遺伝子群との関係を調査する予定である。 2.ABA感受性突然変異体の解析 ABAへの応答性に異常があると考えられる突然変異体の調査を行った。材料として、パンコムギ品種のチホクコムギおよびホロシリコムギ、チホクコムギ由来の4系統、ホロシリコムギ由来の2系統を用いた。(1)農業形質(出穂日、開花日、千粒重)および形態の調査を行い、これらの特徴付けを行った。(2)遺伝解析および相補性試験のために、系統間での交配を行った。これまでの解析結果(昨年度および今年度)にもとづき、今後いくつかの系統についてストレス応答性の調査を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Takumi Shigeo
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Journal Title
Wheat transformation or heterologous transformation? : Functional evaluation of wheat abiotic stress-responsive genes and their interaction using transgenic dicot plants. In : Transgenic Plants : New Research (Oliver T. Chan ed.)(Nova Science Publisher In
Pages: 1-31
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