2007 Fiscal Year Annual Research Report
凍結耐性レベルを左右するアブシジン酸応答機構のマクロダイセクション
Project/Area Number |
07J03134
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小林 史典 National Institute of Agrobiological Sciences, 基盤研究領域植物ゲノム研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | パンコムギ / ABA感受性 / QTL / 突然変異系統 / 凍結耐性 / マッピング |
Research Abstract |
パンコムギの凍結耐性発揮におけるアブシジン酸(ABA)の役割を調べるために、以下の解析を行った。 1.パンコムギ幼苗におけるABA感受性に関与する量的遺伝子座(QTL)を検出するため、パンコムギ組換え近交系統(RILs、210系統)を用いて以下の実験を行った。 (1)フレームマップ作成のためのSSRマーカーの選抜を行った。305マーカー中165マーカーについて、RILsを用いて随時遺伝子型の特定を行った。 (2)RILsを用いてABA感受性試験を行った。水あるいはABA溶液で育てた幼苗根の長さを計測し、その結果からABAによる生長阻害の割合を算出した。 今後、以上の結果を統合することで、ABA感受性に関与するQTLの検出を行う。 2.ABAへの応答性に異常があると考えられる突然変異系統の解析を行った。材料として、チホクコムギおよびホロシリコムギ、チホクコムギ由来の4系統、ホロシリコムギ由来の2系統を用いた。 (1)幼苗根の伸長阻害を指標としたABA感受性試験の結果、チホクコムギ由来ABA27およびABA31、ホロシリコムギ由来ABA126がABA高感受性、チホクコムギ由来ABA59、ホロシリコムギ由来ABA122が低感受性を示した。 (2)各系統の幼苗にABA処理を施し、処理2時間後におけるABA応答性遺伝子群の転写産物の蓄積量を調査した。その結果、ABA高感受性のABA27、ABA31で転写産物の蓄積レベルが高い遺伝子が多く、ABA感受性試験の結果を反映した。しかし他の系統における遺伝子発現は、必ずしもABA感受性を反映するものではなかった。 今後、各系統の遺伝解析および凍結耐性試験を行い、凍結耐性発揮におけるABAシグナル経路の解析を行う。
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Research Products
(4 results)