2007 Fiscal Year Annual Research Report
海洋天然プラキニジンAをはじめとする複雑な複素環骨格の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
07J03157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関 篤史 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天然物 / 全合成 / 有機化学 / アルカロイド / 抗癌剤 / Claisen転位 |
Research Abstract |
プラキニジンAをはじめとするプラキニジン類は1990年代にバヌアツ沿海で採取された海綿蔭り単離され、ピロロアクリジン骨格を有する天然有機化合物として初めて構造決定された化合物である。複雑に窒素原子が置換した平面構造を有し、in vitroに於いてヒト大腸癌細胞HCT-116に細胞毒性、逆転写酵素阻害作用を持つことから、医薬品のリード化合物として期待できる。しかし、その位置選択的な置換基導入が困難であることから未だ全合成の報告はなされていない。そこで、プラキニジン類の全合成を達成しつつ、その特徴的なピロロアクリジン骨格の構築法を確立することにより、多彩なピロロアクリジン誘導体を合成するとともに、構造活性相関を明らかにすることを本研究の目的とする。プラキニジン類の合成で最も困難が予想される6置換芳香環であるB環はClaisen転位で構築できると考えた。モデル基質の検討において、Cinnamyl phenyl ether誘導体を加熱したところ、通常のClaisen転位体と、1、2-転位した異常転位体の混合物を得た。溶媒や添加剤の条件を検討したが、1、2-転位体の生成抑制することはできなかった。そこでphenyl基のオルト位に電子吸引基であるメチルエステルを導入した基質において同様の条件で反応を行ったところ、1、2一転位は全く観測されず、Claisen転位体のみを得ることに成功した。今後、得られた転位体からプラキニジン類への誘導を行う。
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