2007 Fiscal Year Annual Research Report
新世代放射光FEL施設のための二次元電荷積分型ナノストリップガス比例計数管の開発
Project/Area Number |
07J03171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二河 久子 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガス検出器 / 高計数率測定 |
Research Abstract |
従来のMSGCでは電極ピッチは数百μmであったが、本研究では世界で最小となる30μmピッチを持つMSGCの実現させた。50μmピッチ以下のファインピッチにおいては、これまでのMSGCで標準とされた数十μmのアノード幅を、ナノストリップにする必要があり、本研究では、この検出器をNSGC(NanoStrip Gas Chamber)と呼ぶ。 NSGCでは最新のフォトリソグラフィー技術によってアノードの線幅を500nmで描画することに成功したこのNSGCを、従来のM-MSGCと同様の実験セットアップ(Ar:CH4=7:3aに組み込み、放射光施設で実験を行ったところ、8keVのX線に対して22%のエネルギー分解能を達成した。そして、 NSGCの50μmという電極のピッチを位置分解能の向上につなげるため、カソードストリップから電荷積分型アンプを用いて個別に信号を読み出すことを試みた。50μmのピッチに対して十分に絞り込んだビームを照射することができず、50μmの位置分解能を達成することはできなかったが、検出器からの1本1本のカソードの信号を電荷積分型アンプからが正常に読み出すことに成功した。さらに、NSGCの可能性に注目し、可視光に透明なITO(酸化インジウムスズ)を電極に用い、 M-MSGCを製作した。検出器に封入するガスにCF4などのクエンチングガスを用いれば、荷電粒子との反応によって可視光が放出される。これを、透明な電極を持ったM-MSGC越しにCCDあるいはPMTで観測することができる。ITO電極を用いたプレートでは、 Cr電極と変わらないエネルギー分解能(30%@5,9keV)を示した。さらに、 ITO電極を用いたプレートで、PMTによって光信号の読み出しに成功している。位置分解能は27.4%@5.9keV(ガスは1atmのCF4ガスを封入している。ガスゲインは1700である)を示した。
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Research Products
(3 results)